「私の昭和歌謡レコード史」(1)
今回より「私の昭和歌謡レコード史」と題してこれまで収集した印象に残る「昭和歌謡レコード・コレクション」を紹介していきたいと思う。
第1回は「ロカビリー歌手」を経て歌謡歌手に転向、1960年(昭和35年)にリバイバル・ソング「雨に咲く花」が大ヒットした「井上ひろし」にスポットを当ててみたい。 この曲は昭和初期から戦後にかけて活躍したソプラノ歌手「関 種子(せき たねこ)」(写真1 関 種子・インターネット画像から)が1935年(昭和10年)制作、新興キネマ「突破無電」の主題歌で歌いヒットした歌である(写真2 関 種子「雨に咲く花」SP盤レーベル面)。 ちなみに作詞は「高橋掬太郎」作曲は「池田不二男」である。しかしこのレコードはその後「日中戦争」開戦で歌詞が柔弱で女々しい理由で発売禁止となったようである。 それからおよそ四半世紀の歳月を経てこの曲を「柳田六合雄(やなぎだ くにお)」編曲で「井上ひろし」によりカバーされた。 カバー曲なので「B面」の収録となっているがレコードの売り上げがなんと当時およそ100万枚に達したと云われている。 筆者もこの美しいメロディーが好きで現在も時々針を下す1枚だが「B面」が大ヒットした曲としても忘れられない1曲である(写真3 井上ひろし「雨に咲く花」シングル・ジャケットコロムビアSA-390 1960年6月発売 / 写真4 同・レーベル面)。
(つづく)