「私の昭和歌謡レコード史」(15、完)
今年2019年はくしくも「歌謡界の女王」-「美空ひばり」没後30年の年にあたる。 同じくして彼女の生涯最後のシングル盤となった名曲「川の流れのように」(秋元 康 作詞・見岳章 作曲)はリリース30周年を迎えた。 これまでに駆け足で筆者の印象に残る昭和歌謡レコードをピック・アップして紹介してきたがこの「川の流れのように」で締めくくりたいと思う。
ご存じのとおりこの作品が誕生した年は「昭和」の時代も大詰めを迎えた1988年(昭和63年)であった。 当初はこの年の年末に発売されたアルバム「不死鳥パートII」の中に収められた。 その後、本人からの強い希望もあり翌年シングル・カットされ発売は「平成」を迎えた1989年1月11日のことだった。 当時の日本はすでに「CD」時代に入りこの曲もシングル盤と並行して「8cmCDシングル」「カセット・テープ」でも発売された。 そして今回30年の記念の年に「シングル・レコード(EP)」「8cmCD」「カセット・テープ」加えて通常の「12cmシングルCD」での復刻盤が発売される運びとなった(写真1 「川の流れのように」発売30周年復刻盤シングル・ジャケット、コロムビアCOKA-68)。 ちなみに1989年初出シングル盤の売り上げはおよそ150万枚と云われ1965年「日本レコード大賞」受賞曲「柔」の190万枚に次ぐものだった(写真2 「柔」初出シングル・ジャケット、コロムビアSAS-396)。 最後に余談になるがルーマニア出身の世界的ソプラノ歌手、「アンジェラ・ゲオルギュー(Angela Gheorghiu)」は彼女の初のポピュラー名曲集アルバム「世界の歌」でこの「川の流れのように」を選曲し見事な日本語で歌っている(写真3 アンジェラ・ゲオルギュー「世界の歌」CDジャケット1997年10月英デッカ録音国内盤ポリグラムPOCL-1809)。
(完)