「米ウェストミンスター」レーベルから

~アルジェオ・クァドリの貴重盤~

「米ウェストミンスター(Westminster)」レーベルは1949年、ミッシャ・ネイダ(Mischa Naidea)、チェコ出身の名指揮者ヘンリー・スヴォボダ(Henry Swoboda)らによってニューヨークに設立されたクラシック・レコード・レーベルだった。 たとえばピアノのパウル・バドゥラ=スコダ、イェルク・デムス、指揮者ではヘルマン・シェルヘン、ハンス・クナッパーツブッシュなどそうそうたるアーティストたちの名盤が揃っていた。 音質面でもハイ・フィデリティー(High Fidelity)、ナチュラル・バランス(NaturalBalance)の原音に近い高音質レコードとしても人気が高かった。 さらにジャケット・デザインもそれぞれ味があるのも特徴だった。
今回紹介するかつては「東京フィルハーモニー交響楽団」の名誉指揮者として活躍したアルジェオ・クァドリ(Argeo Quadri/1911-2004)(写真1)の若き日の録音、「ウィーン国立歌劇場管弦楽団」とのレスピーギの交響詩「ローマの松」「ローマの噴水」は彼がコンサート指揮者としても定評があったことが裏付ける貴重盤である。 モノラルながら録音が大変素晴らしく「Natural Balance」を謳ったこのレーベルのキャッチ・フレーズも頷ける1枚だった(写真2  米WestminsterーXWN 18271/写真3 同、レーベル面)。 因みにこの盤は1956年の再プレス盤でオリジナル盤は1953年にレコード番号「WL 5167」でリリースされジャケット・デザインも異なっていた。

写真1    アルジェオ・クァドリ(LPジャケット裏面掲載写真から)

写真2    アルジェオ・クァドリ&ウィーン国立歌劇場管/レスピーギ 「ローマの松・噴水」(米Westminster XWN 18271)

写真3    アルジェオ・クァドリ&ウィーン国立歌劇場管/レスピーギ 「ローマの松・噴水」、レコード・レーベル面