「芥川也寸志」の歌謡作品から

20世紀を代表する戦後日本のクラシック音楽界をリードした「芥川也寸志」は前回も紹介した管弦楽作品をはじめ室内楽作品のほか声楽作品、映画音楽、童謡、歌謡曲に至るまで幅広い分野に渡り数多くの作曲を手掛けている。 今回紹介する歌謡作品「真ん中とはじっこ」は彼が40歳の1965年、ちょうどテレビ、ラジオでも活躍し始めたころの作品である。 作詞は今年89歳を迎える日本を代表する詩人「谷川俊太郎」である。 そしてこの曲は当時24歳になった茶の間の人気歌手「九ちゃん」のニュー・スタイル曲として「涙くんさよなら」と共にカップリングされた。 編曲は「見上げてごらん夜の星を」などのミュージカルを手掛けた「いずみたく」である。 このコミカルな曲は「坂本 九」の歌で見事にマッチ、クラシックと詩人の大家による「粋」な作品だった(写真1  シングル盤ジャケット(東芝-TP 1080 1965年オリジナル盤/写真2  ジャケット裏面・歌詞) 。 ジャケットの 「坂本 九」のサインは「つくば科学万博1985」来演の際に入れて頂いたものである。

写真1    坂本 九「涙くんさよなら」とカップリングされた芥川也寸志-歌謡作品「真ん中とはじっこ」シングルジャケット(東芝-TP 1080 1965年リリース)

写真2    同シングル盤ジャケット裏面