「英デッカ」Phase 4  (フェーズ・フォー)録音のコンサート・シリーズから

「Phase 4」は英国デッカ開発のマルチ・トラック&チャンネル方式録音である(20chマルチ・マイク・システムで収録した音をアンペックスの4トラック・レコーダーで録音、その後2チャンネルのステレオにミックスダウンする方法)。この方式による録音は当初ポピュラー分野から進められクラシック分野に取り入れられたのは1964年頃からと記憶している。 今回紹介するシャルル・ミュンシュ指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団によるレスピーギの交響詩「ローマの松」・「ローマの噴水」はミュンシュ唯一の録音でもあった(1967年1月録音)。 彼はこの当時この「Phase 4」録音で同楽団とこの他にもビゼー「カルメン」組曲・「アルルの女」組曲など確か3枚のLP録音を遺した。 とりわけ当盤はレスピーギの透明感溢れる流麗な音の色彩感を巧みにとらえている。 写真1のLPジャケットは「米国LONDON」レーベルの初出盤(1967年リリース)だが興味深いことにジャケットは米国制作、中のディスクは英国からの輸入盤(写真2  ディスク・ラベルにMade in Englandの表記)であった。 ただしディスク面ラベルには「米国LONDON」のレコード番号が表記してある。 また写真3は見開きジャケット裏面のデザインである。

写真1    ミュンシュ&ニュー ・フィルハーモニア管 / レスピーギ ローマの松・ローマの噴水 / 米LONDON  LPジャケットSPC 21024

写真2    Phase4 録音 / ミュンシュ&ニュー・ フィルハーモニア管ディスク面ラベル

写真3     Phase4 録音 / ミュンシュ&ニュー・ フィルハーモニア管の見開きジャケット裏面デザイン