アルド・チッコリーニのサン=サーンス「ピアノ協奏曲全集」

アルド・チッコリーニ(Aldo Ciccolini/1925~2015)はナポリ出身、後にフランスに帰化したフランス近代音楽のスペシャリストであった。 今回紹介するセルジュ・ボド&パリ管弦楽団とのサン=サンース「ピアノ協奏曲全集盤」(1970年録音)も彼の代表盤のひとつである (写真1  チッコリーニ - サン=サーンス「ピアノ協奏曲全集」CDジャケット)。  サン=サーンスのピアノ協奏曲全5曲はいずれもロマンティシズムが溢れる作品、チッコリーニの爽やかな軽妙洒脱な演奏にハマってしまう。 指揮のセルジュ・ボドのノリも素晴らしい。 個人的には特に「第1番」と「第5番」の演奏が好きでよく聴いている(写真2  CD演奏・録音データ)。「第5番」はエジプト風(Egyptique)という副題でも親しまれておりサン=サーンスがエジプトのカイロ滞在中に書いたこの地のエキゾチックな雰囲気が漂う。 録音は仏EMI Pathéの名プロデュ―サー「ルネ・シャラン(René Challan)」が担当している。 またジャケット・デザインの絵画にはナント(Nantes)の美術館 ―「Musée des Beaux-Arts」所蔵、ポール・ルグラン(Paul Legrand)の絵画「夢の前に(Devant « Le Rêve »)」が使用されている。

写真1  アルド・チッコリーニ/「サン=サーンス ピアノ協奏曲全集」(仏EMI録音-独盤 CMS-7694432)

写真2    CD演奏録音データ