アンソニー・コリンズのシベリウス交響曲全集録音について

英国出身の名指揮者、作曲家「アンソニー・コリンズ(Anthony Collins)」(1893~1963)の名前が日本で知られるようになったのはおそらく今回取り上げる彼が1950年代英デッカに録音した「シベリウス交響曲全集録音」と思われる。 彼はロンドンの王立音楽院でグスターヴ・ホルストに作曲を師事、映画音楽の作曲家としても活躍した。 今回スポットを当てる「シベリウス交響曲」の全曲録音はロンドン交響楽団と1952年から55年かけてロンドンの「キングスウェイ・ホール」でのセッション録音(モノラル)である。 国内盤は1970年頃に廉価盤としても「第1番」と「第2番」がリリースされていたがその後姿を消していた。 結局全集盤として日の目を得たのは初CD化として登場したシベリウス没後50年に当たる2007年のことだった(写真1  国内盤コリンズ&ロンドン響シベリウス交響曲全集(UCCD-3806-08))。 モノラルだが録音も大変良好で濃淡がクッキリと浮かびあがるような演奏スタイルが魅力的である。 因みに筆者がこの全集録音からLPレコードで最初に耳にしたのは1970年代にロンドンの中古レコード店で見つけた「英デッカ」モノラル廉価盤シリーズ「ACE of CLUBS盤」の「第3」・「第7番がカップリングされたものだった(写真2  「英デッカ」”ACE of CLUBS” LP- ACL-181 1962年リリース / 写真3  「同、盤面ラベル」)。 現在も時々針を下ろしているが英デッカのソフトな音質が心地よくまたジャケット・デザインも気に入っている。

写真    コリンズ&ロンドン響 / シベリウス交響曲全集(ユニバーサル・ミュージックUCCD 3806-08)

写真2    コリンズ&ロンドン響 / シベリウス交響曲第3番・第7番(英ACE of CLUBS-ACL-181)

写真3   コリンズ&ロンドン響 / シベリウス交響曲第3番・第7番のレコードラベル