アントン・ルビンシテイン「ピアノ作品集」

アントン・ルビンシテイン(Anton Rubinstein/1829~1894、写真1)は19世紀のロシア音楽界の中心人物のひとりでサンクトペテルブルク音楽院を創設(1862年)して初代院長を務めピアニスト、指揮者としても活躍した。 ちなみにモスクワ音楽院を創設したニコライ・ルビンシテイン(Nikolai Rubinstein/1835~1881)は彼の弟にあたり両名共に大作曲家チャイコフスキーとの親交を持った。
今回はリリース当時、国内盤としては大変珍しかった彼のピアノ作品アルバムを取り上げてみたい。 彼は生涯に渡りオペラから器楽作品まで幅広い作品を書いているがやはりピアノのヴィルトゥオーゾと称されピアノ作品は特に定評があった。 紹介LP第一面には彼の5曲のピアノ協奏曲作品からロマン的な味わいも伝わる「第4番ニ短調作品70」(1864)、第二面にはどこかで耳にしたことがある「ヘ調のメロディー」のほか「天使の夢」等々7つピアノ小品が収められている。 ピアノは超絶技巧ピアニストで知られるミヒャエル・ポンティ(Michael Ponti/1937~ )、協奏曲のバックはチェコ出身の名匠オトマール・マーガ(OthmarMága/1929~2020)指揮するフィルハーモニア・フンガリカ(Philharmonia Hungarica)である。 LP録音データによれば協奏曲が1969年2月、ピアノ小品が1968年11月となっている。 紹介盤は1980年にワーナー・パイオニア(米VOX音源)からリリースされた国内初出盤である (写真2 LPジャケット(ワーナー・パイオニア-H 5041V/写真3 LPレーベル面)。

写真1    アントン・ルビンシテイン(インターネット画像)

写真2    LPジャケット(国内盤ワーナー・パイオニア、米VOX音源-H 5041V)1980年国内初リリース盤

写真3    LPレーベル面