ウィリアム・スタインバーグ&ピッツバーグ響によるべートーヴェン交響曲第4番

〜 1962年35mm マグネチック・フィルム録音 〜

「35mm3トラック・マグネチック・フルム」録音についてはすでに「漫遊記315」ほかで何回か取り上げ済みだが今回はもう1枚忘れ得ぬレコードを紹介したいと思う。 当時「エヴェレスト」「マーキュリー」と共にこの録音方式に力を注いだ「コマンド(Command)」レーベルからウィリアム・スタインバーグ&ピッツバーグ交響楽団のベートーヴェンである。 紹介盤は「キング・レコード」から1963年に初リリースされた「レオノーレ序曲第3番・交響曲第4番変ロ長調」が収録されたもので写真の通り超厚手の見開きジャケット装丁だった (写真1  LPジャケット、国内盤Command Classics SR(c)-5002/写真2 LPレーベル面)。 演奏もさることながら通常磁気テープ録音は約38cm/s(15インチ)のスピードに対しこの35mmマグネチック・フィルムは約46cm/s(18インチ)と速いため当然のことながらダイナミック・レンジも広くこの時代としては画期的なステレオ録音だったのだろう。 現在ではこのコンビによる「ベートーヴェン交響曲全集」としてCD化されているがやはりこのLPレコードに針をおろすと不思議に昭和の時代にタイム・スリップする。

写真1    ウィリアム・スタインバーグ&ピッツバーグ響「ベートーヴェン交響曲第4番・レオノーレ序曲第3番」厚手見開きLPジャケット(国内盤初出Command Classics-SR(C)-5002)

写真2    LPレーベル面