エルガーのヴァイオリン協奏曲

エルガーのヴァイオリン協奏曲は「交響曲」と同様に長大な作品、抒情的でロマンティックな旋律が魅力だが「チェロ協奏曲」に比較してコンサートで演奏される機会が少ないのが残念である。 今回紹介するサイモン・ラトルがバーミンガム市交響楽団音楽監督時代の1997年、ナイジェル・ケネディと録音した「EMI盤」は筆者が好きな演奏のひとつである (写真1  ラトル&ケネディ盤、EMI CLASSICS 7243 5 5641 2 8)。  ケネディはエルガ―を得意としておりこれ以前にもヴァ―ノン・ハンドリ―&ロンドン・フィルと1984年に同EMIと録音している。 ところでナイジェル・ケネディは今年64歳を迎える世界的イギリスの名ヴァイオリン、ヴィオラ奏者、ジャズとクラシックのクロス・オーバーでも人気を得たカリスマ的存在である。 この録音当時はファースト・ネームの「ナイジェル」を省略しアーティスト名を「ケネディ」のみで活躍していた。 ラトルとの再録音盤ではゆったりとした情感たっぷりの演奏に惹きつけられる。 また余白に収録されたヴォーン・ウィリアムズの「揚げひばり」にもウットリとさせられる (写真2  ラトル&ケネディ- リハーサル風景、CDブックレット掲載写真/写真  CD演奏・録音データ)。

写真1    エルガー「ヴァイオリン協奏曲」/S. ラトル&ケネディ盤CDジャケット(英EMI Classics)

写真2    ラトル&ケネディ, リハーサル風景(CDブックレット掲載写真)

写真3    CD演奏・録音データ