オペレッタ「ウィーン気質」を観る
チューリッヒ・オペラハウス、1973
オペレッタ「ウィーン気質」を観る 〜 1973年3月、チューリッヒにて 〜
私はフランクフルトに入る前スイス、経済・文化・芸術の中心都市チューリッヒに滞在した。ここでの「お目当て」はチューリッヒ湖畔(写真1 筆者撮影・1973年)に位置する歴史もある「オペラハウス(Opernhaus Zürich)(写真2 筆者撮影・1973年)にぜひ立ち寄ってみたかった。当時の音楽監督はドイツの名匠フェルディナント・ライトナーが務めていた。残念ながら彼が指揮するオペラには接することはできなかったがこの日はヨハン・シュトラウス2世のオペレッタ「ウィーン気質(Wiener Blut)」を鑑賞することができた。(写真3 プログラム表紙)実のところこの作品、シュトラウス2世がワルツ「ウィーン気質」を軸に自身の人気作品を集めオペレッタを作曲することにしたのだが1899年に彼が亡くなったため未完となった。後に彼と親交が深かった音楽家アドルフ・ミュラー2世が彼の意思を継ぎ補筆完成したのがこのオペレッタである。聴きなれた有名なワルツやポルカがふんだんに演奏され舞台衣装も華やかで退屈せずに興味深く楽しめた(写真4 チケット)。当日(3月10日)の指揮者、キャスト等は(写真5プログラム)の通りである。管弦楽は歌劇場専属の「チューリッヒ歌劇場管弦楽団」。と云っても私が聴いた当時はコンサート・オーケストラである「チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団」のメンバーの掛け持ちも多かったようである。尚、現在では「歌劇場オーケストラ」と「トーンハレ・オーケストラ」とは完全に分かれて活動している。またこの日の指揮者「フランク・エンゲルマン(Frank Engermann)」はこのプログラムにも紹介が載ってないので経歴はよくわからなかった。写真6はこの日、舞台装置監督を務めたマックス・レスリスベルガー(Max Röthlisberger)が描いた舞台イメージ・スケッチである(プログラムから)。写真7はオペレッタ「ウィーン気質」のウィーン初演時のポスターである(プログラムから)。