オペレッタ「メリー・ウィドウ」を観る

オーストラリアン・オペラ(2)、1993(夏)

オペレッタ「メリー・ウィドウ」を観る - 1993年2月13日、シドニー・オペラハウスにて –

1993年2月、私は再び「シドニー・オペラハウス」を訪ねた。「オーストラリアン・オペラ」の1993年夏シーズン(1月〜3月)パンフレット(写真1 パンフレット表紙)を見るとプッチーニ「ラ・ボエーム」、ドニゼッティ「ランメルモールのルチア」、レハール「メリー・ウィドウ」、モンテヴェルディ「ポッペアの戴冠」、ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」などどれも興味深い演目が並んでいた。私が足を運んだ13日は土曜日にあたりマチネーに「ランメルモールのルチア」、ナイトに「メリー・ウィドウ」の2公演が組まれていた。どちらを選ぶか迷ったが昼間はシドニーの街の散策を楽しみ夜のオペレッタを観ることした(写真2 「メリー・ウィドウ」プログラム表紙)。「メリー・ウィドウ」はレハールを代表するウィーン風オペレッタ、美しく聴きやすいメロディーが次から次へと演奏され最後まで飽きずに観ることができてしまうところがこのオペレッタの魅力ではないかといつも思う。今回の上演ではテキストがクリストファー・ハッサル(Christopher Hassall)の英語版(1955)が用いられていた。たとえばメリー・ウィドウのHanna の表記もAnnaになっている。物語はパリが舞台なのでHannaのHはフランス語では発音しないためプログラムのキャスト表記もAnna(アンナ)となっているのだろう。舞台セットも大変華やかだった。またメリー・ウィドウ役のクリスタ・リーマン(Christa Leahmann)(写真3 プログラムから)は「オーストラリアン・オペラ」の大御所といっていいだろう。彼女のレパトリーは幅広く「魔笛」の夜の女王、「ノルマ」、「蝶々夫人」等々のタイトロールなどなんでもこなしてしまう。今回の上演でも彼女の風格を感じたのは私だけではないだろう。そしてクライマックスに「マキシム」の踊り子たちが「フレンチ・カンカン」踊りまくるシーンは会場の聴衆をいつも圧倒させる。このオペレッタのまさに醍醐味である。今回指揮を務めたリチャード・ギル(Richard Gill)は合唱指揮もてがけるベテラン指揮者の本領発揮、巧みに全体をまとめあげていた。今回のオーケストラは「オーストラリアン・オペラ・バレエ管弦楽団」が演奏していた。(写真4 スタッフ・キャスト一覧)(写真 5 メリー・ウィドウ上演告知ポスター筆者撮影)(写真6 チケットとレシート:いつのまにかチケットの印字が消えている)

写真1 オーストラリアン・オペラの1993年夏シーズン パンフレット表紙

写真2 メリー・ウィドウのプログラム表紙

写真3 メリー・ウィドウ役のクリスタ・リーマン(Sop)

写真4 メリー・ウィドウのスタッフ・キャスト一覧

写真 5 メリー・ウィドウの上演告知ポスター

写真6 チケットとレシート:いつのまにかチケットの印字が消えている