オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団を聴く、1972,78

- 1972年・1978年 来日公演 -

ユージン・オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団が「第10回大阪国際フェスティバル」参加のため初来日したのはもう今から半世紀余り前の1967年5月のことだった。筆者の手元に当時の来日記念盤に添付された特典ソノシート両面盤(極めて薄手のレコード盤)にはオーマンディ自身の初来日にあたってのメッセージやインタビュー、裏面にはリムスキー=コルサコフのオペラ「ムラダ」から「貴族たちの行列」のレコーディング風景が収録されている(写真1 特典盤ソノシート・ジャケット/写真2 特典ソノシート盤)。モノラル収録のうえソノシート盤なので音質は良好とは言えないが貴重な資料である。
この初来日からちょうど5年後の1972年5月に再来日公演が実現、私も「華麗なるフィラデルフィア・サウンド」を聴きに会場の東京文化会館に足を運んだ(写真3-1972年来日公演チラシ/写真4 チラシ裏面/写真5 来日公演プログラム表紙(1972))。私がこの時聴いたプログラムは最終日5月27日公演である(写真6 演奏曲目)。このコンサートを聴きフィラデルフィア管弦楽団の魅力はやはり厚みを感じる響きにあると思った。特に最後に演奏されたレスピーギ交響詩「ローマの松」で指揮者オーマンディの本領が発揮された。その色彩感ある響きを終曲「アッピア街道の松」の軍隊の行進幻想シーンでさらに肌で感じることができた(写真7 プログラムに入れてもらったオーマンディのサイン)。
さらに6年後の1978年5月このコンビによる最後の来日を果たす。私は5月24日の公演を聴くことができた(写真8 1978年来日公演プログラム表紙/写真9-5月24日演奏曲目)。この演奏ではドビュッシー交響詩「海」とメインのブラームス「交響曲第1番」に注目した。ドビュッシーは「海」の描写を繊細な響きとともに透明感ある美しさが印象的だった。メインのブラームスではレコード録音と同様オーマンディ流にフィナーレでティンパニーを原譜にプラスして演奏するなど興味深い点もあった(写真10 1978年来日公演チケット)。写真は1978年オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団来日公演チラシである。

写真1 1967年オーマンディ&フィラデルフィア管来日記念盤に特別添付された両面盤ソノシート

写真2 特別添付両面盤ソノシート

写真3 1972年オーマンディ&フィラデルフィア管来日公演チラシ

写真4 1972年オーマンディ&フィラデルフィア管来日公演チラシ裏面

写真5 1972年「オーマンディ&フィラデルフィア管来日公演プログラム表紙

写真6 筆者が聴いた1972年来日公演演奏曲目(1972年5月27日)

写真7 コンサート終了後オーマンディに入れてもらったサイン(1972年5月27日)

写真8 1978年オーマンディ&フィラデルフィア管来日公演プログラム表紙

写真9 1978来日公演5月24日演奏曲目

写真10 1978年オーマンディ&フィラデルフィア管来日公演チケット

写真11 1978年オーマンディ&フィラデルフィア管弦楽団来日公演チラシ