カラヤンの実験的ステレオ録音、1944

今回はヘルベルト・フォン・カラヤン、初のステレオ録音を紹介したいと思う。 この音源は戦時中のドイツ帝国ラジオ放送番組のための実験的ステレオ録音と伝えられている。 演奏はカラヤン初のステレオ録音にもなったブルックナー交響曲第8番ハ短調から第4楽章だった。  管弦楽はプロイセン国立歌劇場管弦楽団(Preussische Staatskapelle, Berlin)でCD録音データによれば1944年9月29日の録音となっている。 紹介盤は独コッホ・インターナショナル(KOCH International GmbH)から録音からちょうど半世紀が経過した1994年に初CD化された1枚である。 このCDには先にモノラル録音(1944年6月28日)された「第2楽章」「第3楽章」も収められているが残念ながら「第1楽章」はその存在も確認されず欠落している。 しかし録音状態は1944年録音とは想像もつかないほど頗る良好である (写真1 CDジャケット、独KOCH 3-1448-2 /写真2 演奏・録音データ)。 余談になるがこの放送録音はカラヤンの放送許可がおりなかったためか(??)結局お蔵入りになったようである。 当日の放送はフルトヴェングラー指揮ウィーン・フィルによる同曲のライブ録音に差し替えられたようだ。

写真1    カラヤン初のステレオ録音(ブルックナー交響曲第8番)CDジャケット(独KOCH 3-1448-2)

写真2    CD演奏・録音データ