カラヤン&ベルリン・フィル来日公演、1977
カラヤン&ベルリン・フィル来日公演、1977
「大阪国際フェスティバル」開催20周年を記念して「ヘルベルト・フォン・カラヤン&ベルリン・フィル」が5回目の来日公演を行った。カラヤン自身は通算7度目の来日となる。この年は例年「春季」に開催されていたフェスティバルを「秋季」に移してして行われた。大阪公演は「ブラームス・チクルス」がメイン・テーマで全4曲の「交響曲」、「ヴァイオリン協奏曲」、「ピアノ協奏曲第2番」、「ヴァイオリンとチェロのための協奏曲」等がプログラムにあがる。ソリストにはヴァイオリン、塩川悠子、ピアノ、アレクシス・ワイセンベルクが共演した。そして東京公演は「ベートーヴェン・チクルス」ということで全9曲の交響曲とワイセンベルクのピアノで「ピアノ協奏曲第3番」/「第5番<皇帝>」が演奏された(写真1 東京公演チラシ)。東京公演の会場はカラヤンの公演では初めて約5,000人収容可能な杉並の「普門館」で行われた(写真2)。これには私も驚いたがさすがに クラシック・コンサートの音響面で物議を醸すことになったが最終的にはカラヤン自身の判断でほぼこのままの状態で使用することになったようである。私は東京公演の初日11月13日(交響曲第1番・第3番)、15日(第4番・第7番)、最終日18日(第9番)を聴いた(写真3 東京公演プログラム表紙/写真4・5・6 各公演チケット)。初日は1階7列のほぼセンターに近い席を確保できたので充分満足がいくベルリン・フィルサウンドを満喫することができた。15日は1階席ではあったが25列目とやや後方席のためサウンド面ではやや物足りなさを感じたがカラヤン・スタイルの流麗なベートーヴェンに感動した。最終日の「交響曲第9番」は生憎D席2階後方席のため会場が広すぎ遠目に聴く「第9」が残念だった。しかしカラヤン&ベルリン・フィルの「第9」を生で聴けたという満足感は大きかった(写真7 プログラム11/18「第9」出演者)。今回の東京公演「ベートーヴェン・チクルス」は交響曲第5番と第6番を除き翌年正月放送のFM東京「TDKオリジナルコンサート特別番組」用にステレオ収録された。第5番と第6番については「朝日放送」(大阪)が正月特別番組用にテレビ収録、音声は「FM東京」がステレオ収録している(因みに関東地区は「テレビ朝日」の正月特別番組で放送)。またワイセンベルクが共演したベートーヴェン「ピアノ協奏曲第3番」(11/14)「ピアノ協奏曲第5番<皇帝>」も「FM東京」でステレオ収録されていた。これらは30年余りの歳月を経て「TOKYO FMレーベル」からCD化されることになる(写真8 交響曲全集(2011年)/写真9 ピアノ協奏曲第3番・第5番(2012年))。写真10は初日11/13のコンサート会場で偶然にも私のすぐ後ろの席にワイセンベルク氏がoffでコンサートを聴きに来ており、休憩時間にサインを入れてもらったプログラムである。