クリストファー・ホグウッド&エンシェント室内管を聴く、2001
~2001年6月12日、サントリーホールにて~
前回(漫遊記140)に続き今回は英国の古楽器室内オーケストラ「エンシェント室内管弦楽団」の2001年6月来日公演を振り返ってみたいと思う(写真1 2001年6月来日公演プログラム表紙)。この楽団の正式名称は「ジ・アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック(THE ACADEMY OF ANCIENT MUSIC)、1973年に今は亡き英国の音楽学者、鍵盤楽器奏者、指揮者のクリストファー・ホグウッドが結成したそれぞれの作曲家の時代に合わせオリジナル楽器で演奏する室内アンサンブルである。この楽団が世界的に知られるきっかけになったアルバムはやはり彼が1980年代に完結したモーツアルトの交響曲全集録音であろう。写真2はその全集録音から後期三大交響曲第39番・第40番・第41番を収録した2枚組LPである。とりわけ「第40番」はクラリネットが入らない第1版により収録されている。
筆者は6月12日サントリーホール公演に足を運びプログラムも先のアルバムと同様モーツアルトの後期三交響曲であった(写真3 来日公演日程と演奏曲目)。今回の編成は総勢35名前後だったと思う。モーツアルト時代の演奏スタイルにできるだけ近づけたホグウッドの解釈は爽やかさを感じさせた。演奏も基本的に反復を実行、作品ごとにインターバルを置いたことも良かった。また公演の「第40番」は先のレコード録音とは異なりクラリネットが追加された版で演奏された(写真4 公演終了後プログラムに入れてもらったホグウッドのサイン/写真5 2001年6月12日の当公演のチケット)。