クレンペラー、”ラスト・コンサート” ライブ盤
今回紹介するオットー・クレンペラーの「ラスト・コンサート」ライヴ盤(2CD)が「英テスタメント(TESTAMENT)」よりリリースされたのは2008年のことである (写真1 クレンペラー「ザ・ラスト・コンサート」ジャケット、英Testament-SBT2 1425 / 写真2 CDジャケット裏面)。 このクレンペラー生涯最後のコンサートは手兵「ニュー・フィルハーモニア管弦楽団」を指揮し1971年9月26日ロンドンの「ロイヤル・フェスティバルホール」(写真3 1973年3月筆者撮影)で行われた。 プログラムはベートーヴェン「シュテンファン王」序曲、イスラエル出身の当時新進気鋭の若手ピアニスト、ダニエル・アドニ(Daniel Adni)を迎えてベートーヴェン「ピアノ協奏曲第4番」、休憩をはさみブラームス「交響曲第3番」が演奏されている(写真4)。 どれもがクレンペラーが得意とする作品、当時まだまだ彼はレコーディングにも力を注いでいた時代、モノラル録音だがそれでもライブならではのクレンペラーの気迫が充分に伝わってくる。 ただ1971年の録音にしてはマスター・テープに起因するものなのか音質がイマイチなのが惜しい。