グラインドボーン音楽祭1960 /ヴェルディ「ファルスタッフ」ライブ盤
今年(2020年)のグラインドボーン音楽祭開催はやむなく「コロナ感染症」の影響で中止となったようだが毎年5月から7月にかけて開催されるイギリスの人気が高いオペラ音楽祭である。 会場はロンドンからおよそ70kmほど離れた南東部に位置する城下町ルイス(Lewes)近郊にあるグラインドボーン(Glyndebourne) =カントリー・ハウス(貴族の大邸宅)を改築しながら劇場として使われていたが1990年代半ばには新劇場が完成している。 今回紹介するヴェルディ「ファルスタッフ」はこのグラインドボーン音楽祭の1960年上演のライブ録音を収録した「グラインドボーン自主制作レーベル」で2011年初出音源モノラル録音である (写真1 ブックレット仕様豪華CDジャケット/写真2 CDキャスト&録音データ)。 とりわけこの1955年から続いたカール・エーベルト(Carl Ebert)演出は大変好評だったと伝えられている。 このライブ盤は上演最終年を飾ったものでファルスタッフの当たり役ジェレイント・エヴァンズ(Geraint Evans)が聴きものである。 さらに1971年のNHK招聘「イタリア歌劇団公演」でドニゼッティ「ラ・ファヴォリータ」―「アルフォンソ11世」を演じた名バリトンのセスト・ブルスカンティーニ(Sest Bruscantini)のフォード役も素晴らしい(写真3)。 またメグ役のメゾ・ソプラノのアンナ・マリア・ロ―タ(Anna Maria Rota、写真4)やフォードの娘役でソプラノのマリエッラ・アダーニ(Mariella Adani、写真5)等々の名歌手も並ぶ。 指揮のヴィットリオ・グイ(Vittorio Gui)は当時この音楽祭の音楽監督を務めた名オペラ指揮者で先のNHK招聘第1回「イタリア歌劇団公演、1956年」で初来日している。 管弦楽はロイヤル・フィルハーモニ―管弦楽団である。