グリーグ「ピアノ協奏曲イ短調」初稿版世界初録音盤

グリーグの名曲「ピアノ協奏曲イ短調」は改訂版による演奏・録音が一般的だが今回は1868/1872年初稿版による世界初録音盤を取り上げてみたい。 1993年に録音されたスウェーデンBIS盤である。 スウェーデンのピアニスト:ルーヴェ・デルヴインイェル(Love Derwinger)、指揮は日本の広上淳一 (写真1 LPジャケット裏面)、管弦楽はノールショピング交響楽団による演奏である。 広上淳一は当時この楽団の首席指揮者を務めていた。 ちなみにこのオーケストラは100年余りの歴史を持つ団体でストックホルム南西に位置するノールショピング(Norrköping)に本拠を置きかつてはヘルベルト・ブロムシュテット、オッコ・カム、フランツ・ウェルザー=メストなどの名指揮者も歴代首席指揮者を務めている。 さて初稿版といっても異稿版ではないため作品の骨格は改訂版との極端な違いはない。 ただ改訂版とハッキリと区別がわかる「第1楽章」冒頭、ティンパニーのクレッシェンドで始まる劇的開始部分に金管も重ねて演奏されるところは興味深かかった。 またこのCDにはグリーグの習作ピアノ小品「ラルヴィーク・ポルカ」(1958)と「23のピアノ小品集」(1859)、いずれも世界初録音が収録されている (写真2 CDジャケット-BIS-CD 619)。

写真1    ルーヴェ・デルヴィンイェル & 広上淳一(CDジャケット裏面写真)

写真2    CDジャケット、グリーグ「ピアノ協奏曲イ短調(初稿)/ルーヴェ・デルヴィンイェル(P)広上淳一&ノールショピング響(BIS-CD-619)