コンサート・ホール・ソサエティ盤の魅力的ジャケットから(6、完)

・ カール・シューリヒト&バイエルン放送響「ワーグナー作品集」
・ 岩城宏之&ウィーン国立歌劇場管/リスト”ハンガリー狂詩曲から“
・ イーゴル・マルケヴィッチ&モンテカルロ国立歌劇場管/ビーゼー”アルルの女”組曲

「コンサート・ホール盤の魅力的ジャケト」は「カール・シューリヒト」・「岩城宏之」・「イーゴル・マルケヴィッチ」で締めたいと思う。
先ず「カール・シューリヒト盤」は既に「第3回」に「1963年・1965年フランスA.C.C.ディスク大賞盤」/「ブラームス交響曲第4番」/「ブルックナー交響曲第7番」を紹介済みだが今回紹介する1961年ステレオ録音、「バイエルン放送交響楽団」との「ワーグナー作品集」もジャケット・デザインと共に忘れることができない1枚である。 このアルバムには歌劇「リエンチ」序曲、「ジークフリート牧歌」、楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」から第3幕へのの前奏曲・徒弟たちの踊り・第1幕への前奏曲、歌劇「ローエングリン」第1幕への前奏曲が収めれている。 決して派手な演奏スタイルではないが少々控えめな渋味も感じる演奏が何とも言えない(写真1  シュリーヒト「ワーグナー作品集」、コンサート・ホール-SM 2246 /写真2  同盤・レーベル面。)
次は国内外で大活躍した「岩城宏之」が「コンサート・ホール」に「ウィーン国立歌劇場管弦楽団」と録音した貴重な1枚である。 この録音はレコード解説に『日本の指揮者がヨーロッパで録音した最初の本格的LP』と見出しに書かれている。 解説によればレコーディングは1963年4月末から5月にかけてウィーンの古いホテル内にある「バイヤリッシャーホール」で行われたそうである。 レコードに収録された作品はリスト「ハンガリー狂詩曲」から管弦楽に編曲されている「第2番」・「第5番」・「第12番」・「第15番」である(写真3  「岩城宏之&ウィーン国立歌劇場管弦楽団」/リスト「ハンガリー狂詩曲」から/コンサート・ホール -SM-2318/同盤・レーベル面)。
そしてトリは日本にも馴染み深い名指揮者「イーゴル・マルケヴィッチ」である。 彼が1969年に「モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団」と録音した名曲、ビゼー「アルルの女」第1・第2組曲。 彼には同曲をこの録音の10年前(1959年)にフランスの「ラムルー管弦楽団」と入れた名盤(フィリップス)もあるがこの「コンサート・ホール盤」も素晴らしい。 また筆者の「コンサート・ホール」コレクションでは最も新しい録音でもある。 ジャケット・デザインの風景写真は「アルル」の近郊「カマルグ地方」の湿地帯と思われる(写真5  マルケヴィッチ&モンテカルロ歌劇場管弦楽団/「アルルの女」組曲 、コンサート・ホール-SMS-2647/同盤・レーベル面)。

(完)

写真1    シューリヒト&バイエルン放送響「ワーグナー作品集」(コンサート・ホール SM-2246)

写真2    写真1のレーベル面

写真3    岩城宏之&ウィーン国立歌劇場管/「リスト・ハンガリー狂詩曲から」(コンサート・ホール SM-2318)

写真4    写真3のレーベル面

写真5    マルケヴィッチ&モンテカルロ管/「アルルの女」組曲( コンサート・ホール SMS 2647)

写真6    写真5のレーベル面