コンサート・ホール盤の魅力的ジャケットから(4)
・ピエール・ブーレーズの「春の祭典」(1964年度”A.C.C.&A.D.F.デイスク大賞” W受賞盤)
・ヨーゼフ・クリップスの「ブラームス交響曲第1番」
・ウィレム・ヴァン・オッテルローの交響組曲「シェエラザード」
今回は1964年度の「フランスA.C.C.&A.D.F.ディスク大賞」W受賞となった名盤、ピエール・ブーレーズ&フランス国立放送局管弦楽団によるストラヴィンスキー舞踊音楽「春の祭典」から進めていきたい。 ブーレーズは「春の祭典」をセッションで通算3回ほど録音しているがこの「コンサート・ホール盤」は最初の録音(1963年6月)である。 もちろん筆者が最初にレコードで聴いた「ハルサイ」で衝撃的かつ忘れることができない1枚であった。 レコード第2面の余白にはストラヴィンスキーの「管弦楽のための4つのエチュード」が収録されている(写真1 ブーレーズ&フランス国立放送局管/ 春の祭典(コンサート・ホールSM-2234)/ 写真2 同盤・レーベル面)。
つづいてウィーン出身の名指揮者ヨーゼフ・クリップス(Josef Krips/1902-1974)のブラームス「交響曲第1番」(1962年録音)である。 彼は今からおよそ半世紀前に「サフランシスコ交響楽団」音楽監督時代の1968年にこの楽団と来日公演を行っているが地味な印象だった。 彼は「ウィーン・フィル」と相性が良い指揮者として知られブラームスの「第1番」もこの録音に先立つ1956年に「ウィーン・フィル」と「英デッカ」にステレオ録音している。 従ってこの「コンサート・ホール盤」は再録音盤となる。 またオーケストラの「ウィーン音楽祭管弦楽団」は「音楽祭」のために臨時編成された楽団と思われる(写真3 クリップス&ウィーン音楽祭管/ ブラームス交響曲第1番(コンサート・ホールSM-2268) / 写真4 同盤・レーベル面)。
最後はオランダの名指揮者「ウィレム・ヴァン・オッテルロー」が同じく「ウィーン音楽祭管弦楽団」と録音したリムスキー=コルサコフ「交響組曲”シェエラザード”」である。 おそらくオッテルローのこの作品唯一のレコード録音かと思われる。 録音年代は不詳だが音質は大変良好でソロ・ヴァイオリンを弾く「ローラン・フニーヴ(LorandFenyves)」はエルネスト・アンセルメの招きにより1950年代に「スイス・ロマンド管弦楽団」のコンサート・マスターを務めたこともあるそうだ(写真5 オッテルロー&ウィーン音楽祭管/ 交響組曲「シェエラザード」(コンサート・ホールSM-2276)/ 写真6 同盤・レーベル面)。
(つづく)