サヴァリッシュ&N響-ブルックナー”第7番”を聴く、1971
~1971年5月4日、N響 第560回定期公演、東京厚生年金会館にて~
「東京文化会館」の改修工事によりこの当時「N響定期公演」は会場を今では懐かしい新宿の「東京厚生年金会館」に移して開催されていた。4月・5月の定期にはN響名誉指揮者のウォルフガング・サヴァリッシュが登場、特に5月定期第560回・561回にブルックナー「交響曲第7番・第9番」を振るとのことで大変注目された。筆者は第560回定期の2日目(5月4日)公演に足を運んだ。この5月定期は前半にワーグナーの作品、「ジークフリート牧歌」(第560回)と「パルジファルから前奏曲と聖金曜日の不思議」(第561回)がそれぞれ演奏された(写真1 N響第560回定期公演プログラム表紙/写真2 第560回定期演奏曲目)。因みにサヴァリッシュは当時史上最年少の指揮者(34歳)として「バイロイト音楽祭」(1957年)にデビュー、楽劇「トリスタンとイゾルデ」を振っている。当時まだ学生だった筆者もこの重量感あるプログラムをしっかり腰を据えて聴いたことを覚えている。まだこの当時、ブルックナーのこの「第7番」でさえ国内盤のレコードはまだ数少なくまして生演奏を聴く機会は滅多になかったと云っても過言ではないだろう。当時の筆者はレコードと並行して発売されていた「19cm4トラックオープン・リールソフト」にも凝っていた。ちょうどこの年の「日本レコード・アカデミー賞」(交響曲部門)に「第4番」と共に輝いたカラヤン&ベルリン・フィルの「第7番」のオープンリール・ソフト(写真3)もよく回していたことも懐かしく思い出している。写真4はN響第560回公演チケットである。