シュミット=イッセルシュテットの想い出

今からちょうど半世紀前、筆者がまだ学生時代にステレオ録音によるウィーン・フィルとの初のベートーヴェン交響曲全集をリリースした指揮者がドイツの名指揮者ハンス・シュミット=イッセルシュテットだった。 この全集録音は現在も彼の不滅の名盤として輝いている。 筆者も久しぶりにこの全集盤を聴きながら昔を思い出した。 彼の初来日は1964年10月、読売日本交響楽団第11回定期に客演モーツアルト「交響曲第31番”パリ”」ヘンツェ「バレエ音楽”ウンディーネ”」第2組曲、チャイコフスキー「交響曲第4番」を振っている (1964年10月14日・東京文化会館)。 そしてベートーヴェン生誕200年記念の年―1970年に再来日、ベートーヴェン生誕200年記念連続演奏会(読売新聞社主催)でベートーヴェン「ミサ・ソレムニス」と 最終回の「第9交響曲」を振り連続公演の「大トリ」を見事に務めた。 この「日本武道館」における「第9」は現在も筆者の心の中にシッカリと焼き付いている (写真1 ベートーヴェン生誕200年記念連続演奏会、1970年第V期プログラム表紙/写真2 同プログラムからベートーヴェン「ミサ・ソレムニス」・「第9交響曲」出演者)。 また彼の堂々とした品格を備えた指揮ぶりに好感したことも忘れられない。
最後にイッセルシュッテトの珍しいドヴォルザーク「交響曲第7番・第9番”新世界から”」のライブ盤を紹介したい。 これは彼が戦後長年務めた「北ドイツ放送交響楽団」首席指揮者時代のステレオ・ライブ録音である。 鋭角的なキレのあるドヴォルザークを聴かせている。 録音は当時の本拠地ハンブルクのムジークハレ(Musikhalle) (写真3 2003年7月筆者撮影)で録音も大変素晴らしい。 このCDは独EMIClassicsレーベルから2004年にリリースされた「NDR KLASSIK」の1枚である(写真4  NDR KLASSIK-イッセルシュテット「ドヴォルザーク交響曲第7番・第9番」CDジャケット-独EMIClassics-7243 4 76737 2 )/写真5  CD演奏・録音データ)。

写真1    ベートーヴェン生誕200年記念連続演奏会・1970年第V期プログラム表紙

写真2    同プログラムからベートーヴェン「ミサ・ソレムニス」「第9交響曲」出演者

写真3    ムジークハレ ハンブルク(2003年7月筆者撮影)

写真4    NDR KLASSIK-イッセルシュテット/ ドヴォルザーク交響曲第7番・第9番ライブ盤ジャケット(独EMI CLASSICS)

写真5    CD演奏・録音データ