ショルティ&ロンドン・フィルを聴く(1) 

ロイヤル・フェスティバルホール、1979

ショルティ&ロンドン・フィルを聴く(1) - 1979年3、ロンドンにて–

私が最初に「ロンドン・フルハーモニー管弦楽団」の演奏を生で接したのは1969年9月の初来日公演だった。 場所は東京文化会館。指揮は当時首席指揮者を務めていたベルナルト・ハイティンク、因みに彼は当時「アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団」の音楽監督も兼任していた(写真1 ロンドン・フィル初来日公演プログラム表紙)。 それから10年、運よくこの楽団の本拠地、ロンドンでも生の演奏を聴く機会を得た。1979年3月13日と15日の2回、定期公演を聴くことができたが今回は13日の公演にスポットをあててみたい。 指揮はこの年から首席についたサー・ゲオルグ・ショルティ、彼も当時は「シカゴ響」の音楽監督を兼任していた。 13日のプログラムはショルティのお国ものでバルトーク・プログラム、前半に「管弦楽のための協奏曲」後半はバルトークの唯一のオペラでもある青ひげ公の城」が演奏会形式で演奏された(写真2 ロンドン・フィル・プログラム表紙/写真3 演奏曲目)。 ゲスト歌手は当時絶賛の人気を誇ったハンガリーのシルヴィア・シャシュ(ソプラノ/ユーディット)とコロシュ・コヴァーチ(バス/青ひげ公)である(写真4出演者紹介・シャシュのサイン/写真5-ショルティのサイン) 。 この申し分のない組み合わせに私も興奮したことを覚えている。 プログラムにも記載があるようにこのコンサートは「BBCラジオ3」により放送録音もされた。 同時にこのコンサートの前後を通じ同一メンバーによりレコード録音も「キングズウェイ・ホール」で行われている(英デッカ)。 国内盤は1981年に「キング・レコード」からリリースされた。

ところで、「青ひげ公の城」(演奏会形式)を私が初めて生で聴いた年は1972年7月、「読売日本交響楽団・第84回定期公演」だったと思う(写真6 読売日響第84回定期プログラム表紙/1972年7月7日東京文化会館)。 指揮は当時の常任指揮者の若杉 弘、ユーディットにはメゾ・ソプラノの長野羊奈子、青ひげ公は当時日本を代表するバス歌手、大橋国一が歌った(写真7 プログラム・出演者/写真8 出演者写真)。 このコンサートも当時国内で話題になったことも思い出した。 また偶然にもこの日のプログラムも「ロンドン・フィル」と全く同一である。

写真1 1969年9月のロンドン・フィル初来日公演プログラム表紙

写真2 1979年3月ロンドン・フィル・定期公演プログラム表紙

写真3 1979年3月ロンドン・フィル・定期公演の演奏曲目

写真4 ユーディット役のシルヴィア・シャシュ(Sop)とサイン(左)、青ひげ公役のコロシュ・コヴァーチ(Bas)

写真5 指揮をしたサー・ゲオルグ・ショルティ、気安くサインをしてくれた

写真6 読売日響第84回定期プログラム表紙/1972年7月7日東京文化会館

写真7 プログラム・指揮は当時の常任指揮者 若杉弘、

写真8 ユーディット役は長野羊奈子(M-sop)(上)、青ひげ公役は大橋国一(Bas)(下)