ジャック・ティボー(Vn)によるベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」、1951年11月ライブ
意外にもジャック・ティボー(Jacques Thibaud/1880~1953)はベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」の正規スタジオ・セッションを残しておらず今回紹介するライブ録音が唯一のものとされている。 この音源は1951年11月9日スイスのヌーシャテル(Neuchâtel –風光明媚なヌーシャテル湖畔の町)で開催されたローザンヌ室内管弦楽団とのコンサート・ライブである。 指揮はこの楽団創設者、初代指揮者を1972年まで務めたヴィクトル・デザルツェンス(Victor Desarzens/1908~1986)。 この演奏で筆者が先ず興味を惹いたのはこれまで耳にしたことがないティボーが弾く第1楽章のカデンツァだった。 原盤は仏ターラ(Tahra)、紹介CDは2016年にアルトゥス(Altus)からリリースされた。 CDにはこのほかエドゥアルト・ヴァン・ベイヌム指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団とのモーツァルト「ヴァイオリン協奏曲第4番」(1949年12月28日ライブ)が収められている(写真1 CDジャケット、TALT 006/写真2 CD演奏録音データ)。