ジャン・マルティノンのサン=サンース交響曲全集

サン=サンースの交響曲と云えば「第3番ハ短調」(1886年)-通称「オルガンつき交響曲」がコンサートでもよく取り上げられよく知られている。 しかし彼の交響曲作品はこのほか番号がない1850年頃の「イ長調」並びに1856年の副題がついた「ヘ長調」の「首都ローマ」、さらに「第1楽章」のみで未完の「変ロ長調」(1848年)などが思い浮かぶ。 今回紹介するフランスの名匠ジャン・マルティノンが1972年から75年にかけフランス国立放送局管弦楽団(現、フランス国立管弦楽団)との録音は未完作品を除く先の二つの世界初録音となった交響曲イ長調・交響曲ヘ長調”首都ローマ”を含む全集盤として大変注目された。 フランス盤オリジナルLP全集は1975年にリリースされ日本国内盤も翌1976年には当時の「東芝EMI」よりリリースされた。 写真1のCD全集盤は仏EMI Classicsから2003年に再CD化されたものでジャット・デザインも気に入っている。 録音は第3番を除いてパリのサル・ワグラムで行われ、ベルナール・ガヴォティが弾く第3番“オルガン交響曲”はサン・ルイ・デ・ザンバリッド教会(L’Eglise Saint-Louis des Invalides)の大オルガンが使用され響きも荘厳である (写真2  CD演奏・録音データ)  。 写真3は1970年11月ジャン・マルティノンが日本フィル定期客演の際にプログラムに入れてもらったサインも懐かしい。

写真1    ジャン・マルティノン&フランス国立放送局管/サン=サンース交響曲全集(仏EMI Classics-7243 5 85186 2 7(2 CD)

写真2    CD演奏・録音データ

写真3    ジャン・マルティノンのサイン(1970年11月「日本フィル定期公演」客演時