ジュリアス・カッチェン(Pf)によるベートーヴェン「皇帝」

アメリカ出身、超絶技巧ピアニストのジュリアス・カッチェン(Julius Katchen/1926~1969、写真1)は病魔に侵され42歳で亡くなったため日本では地味な存在だった。 しかし彼のレパートリーは古典から現代作品まで広かった。 今回スポットをあてるベートーヴェンのピアノ協奏曲録音は先月末に85歳で亡くなったイタリアの名匠ピエリーノ・ガンバ(Pierino Gamba/ 1936~2022、写真2、ピエロ・ガンバPiero Gambaの表記もあり)指揮&ロンドン交響楽団のコンビで1958年~1965年にかけてステレオによる全集盤を完結している。 ちなみにこの「第5番”皇帝”」は1963年の録音だった。 紹介LPは「世界の名曲1000シリーズ」として1971年に廉価盤でリリースされた。 英デッカの原盤で録音は大変素晴らしい。 またこのLP第二面余白にはアンコール・ピースとしてバッハ「主よ、人の望みの喜びよ」(マイラ・ヘス編曲版)、ドビュッシー「月の光」、ファリャ「火祭りの踊り」が収録されこちらも味わい深さを感じる(写真3 LPジャケット、GT 1062/写真4 LPレーベル面)。

写真1    ジュリアス・カッチェン(インターネット画像から)

写真2    指揮者はピエリーノ・ガンバ(インターネット画像から)

写真3-LPジャケット(キング「世界の名曲1000シリーズ-」-GT 1062 1971年リリース盤)

写真4-LPレーベル面