ジュリアード弦楽四重奏団のベルク&ヴェーベルン、1959年録音
今回紹介するLPレコード、「ジュリアード弦楽四重奏団」によるベルク&ヴェーベルン作品集は筆者が「新ウィーン楽派」の音楽を聴くきっかけとなった1枚だった。 ジュリアード弦楽四重奏団はアメリカの「ジュリーアード音楽院」院長・作曲家のウィリアム・シューマンの提唱により1946年に結成された。 この四重奏団の魅力は完璧ともいえる演奏技術に加え古典派から現代・前衛作品に至る幅広いレパートリーである。 とりわけこのレコードに収録されたベルクやヴェーベルンなどいわゆる「新ウィーン楽派」の作品も大変得意とした。 このレコード録音にあたったメンバーは第1ヴァイオリン「ロバート・マン」をはじめヴィオラ「ラファエル・ヒリヤー」の初代メンバーに第2ヴァイオリン「イシドーア・コーエン」、チェロ「クラウス・アダム」の二代目メンバーを加えた1959年のヴィンテージ録音である(写真1 ジュリアード弦楽四重奏団、録音当時のメンバーLP掲載写真)。 また彼らは1961年春の「大阪国際フェスティバル」に参加、このLPにも収録されたベルク「抒情組曲」をプログラムに取りあげその高度な技術を披露した。 LPにはこのほかヴェーベルンの「弦楽四重奏のための5つの小品/ 6つのバガテル」が収められている(写真2 LPジャケット、日本ビクターSRA-2756 1971年リリース/写真3 LPレーベル面)。