スメタナ、幻の交響曲「祝典交響曲」
チェコ国民楽派の祖スメタナが当時のオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフI世のバイエルン皇女エリザベートとの婚礼を祝して書き上げた交響曲「祝典交響曲」(1854)はスメタナがチェコの作曲家との理由で却下された幻の作品となった。 初演は作曲された翌年(1855年)プラハでスメタナ自身の指揮でされている。 全4楽章構成、演奏時間約45分前後を要する大曲でスメタナの唯一完成された交響曲作品である。 ハイドンの有名な皇帝賛歌の旋律も折り込まれ第4楽章のコーダでは高らかと鳴り響く。 しかし初演後はスメタナが亡くなる3年前、1881年改訂版(決定稿)まで演奏されることはなかったそうである。 今回の紹介盤カレル・シェイナ指揮チェコ・フィルによる1966年ステレオ録音もその改訂版による演奏である。 またこの録音が初のステレオ録音だったそうで紹介盤は国内初出LPだった。 指揮のカレル・シェイナ(Karel Šejna/1896~1982)はチェコ・フィルのコントラバス奏者も務めその後はチェコ・フィルの常任指揮者として活躍した人である。 スプラフォン/レーベルにはスメタナの代表作「わが祖国」全曲(1950年録音)も残している (写真1 LPジャケット、日本コロムビアOW-7812-S 1979年国内初出盤 / 写真2 同LPレーベル面)。