テレマン最晩年の傑作、劇的カンタータ「イーノ」

今回は後期バロック音楽を代表するドイツのゲオルク・フィリップ・テレマン(Georg Philipp Telemann/1681~1767)最晩年の傑作と云われる劇的カンタータ「イーノ(INO)」(1765)を取り上げてみたい。 この作品は意外にもレコード録音がそれほど多くないため筆者のコレクションは1971年リリースの旧東独ETERNA盤」の1枚である (写真1 LPジャケット、ETERNA 8 26 078/写真2 LPレーベル面)。 テレマンの生前には演奏されることなく初演はC.P.E.バッハにより1768年に行われたそうである。 題材はギリシャ神話で演奏はソプラノ独唱と管弦楽でレシタティーボとアリアの構成、演奏時間およそ40分弱である。 紹介LPは指揮するヘルムート・コッホ(Helmut Koch/1908~1975、写真3)が旧東独ベルリン放送交響楽団のメンバーで創設したベルリン室内管弦楽団(Kammerorchester Berlin)、ソプラノ独唱は当時、旧東独ドレスデン、ライプツィヒを中心に活躍したソプラノ歌手アデーレ・シュトルテ(Adele Stolte/1932~2020 写真4)である。 LPには録音データの記載はないが1970年前後と推定される。

写真1    LPジャケット(旧東独ETERNA 8 26 078)1971年リリース盤

 

写真2     LPレーベル面

 

写真3    指揮のヘルムート・コッホ(インターネット画像から)

 

写真4    ソプラノ歌手のアデーレ・シュトルテ(インターネット画像から)