ディトーリッヒ・フィッシャー=ディスカウ「R. シュトラウス歌曲集」、1981・1983
今回は20世紀、ドイツを代表する名バリトン歌手「ディートリッヒ・フィッシャー=ディスカウ(Dietrich Fischer-Dieskau /1925~2012)」が1980年代初頭にデジタル録音で入れ直した「リヒャルト・シュトラウス歌曲集」(写真1 独グラモフォン/2CD BOX)を紹介したい。
彼のレパートリーは広くバッハの「宗教曲」からヘンツェ、ライマンなどの現代作品まで歌いこなした。 とりわけスポットをあてる「リヒャルト・シュトラウス」の歌曲については古くは1955年に「EMI」にジェラルド・ムーア(ピアノ)とのコンビで1枚モノラル録音していた。 その後彼は1960年代末に同コンビでステレオによるこの歌曲集大成録音(9枚組LP)の偉業を成し遂げている。 従ってこのデジタル録音は十数年ぶりの再録音となりピアノ伴奏は名指揮者ウォルフガング・サヴァリッシュということも注目された。 またサヴァリッシュ伴奏による録音はこれ以前にメンデルスゾーンやブラームスの歌曲集が同じく「EMI」あったことを記憶している。 リヒャルト・シュトラウスの歌曲はどれもが抒情性に富み美しい。 この歌曲集はそれぞれのリート作品から聴きどころを抜粋し2CDにまとめたものである。 フィッシャー=ディスカウの艶やかで張りのある美声がとても印象的である(写真2 CD BOX裏面-収録作品)。