トスカニーニ追悼コンサート、ライブ盤

〜ブルーノ・ワルターの「エロイカ」〜

今回はトスカニーニ追悼コンサート・ライブ盤、ブルーノ・ワルター&シンフォニー・オブ・ジ・エアーの「ベートーヴェン交響曲第3番”エロイカ”」の国内初出盤を紹介したい。 巨匠アルトゥーロ・トスカニーニは1957年1月16日ニューヨークの自宅で89歳の生涯を閉じた。 このコンサートは彼を追悼し2月3日カーネギー・ホールおいてピエール・モントゥー、シャルル・ミュンシュそしてブルーノ・ワルターの3人の大指揮者を迎え開催されている。 管弦楽はトスカニーニゆかりのシンフォニー・オブ・ジ・エアー(旧NBC交響楽団、漫遊記55参照)である。 当夜のプログラムはミュンシュが振るドビュッシー交響詩「海」、モントゥーによるエルガー「エニグマ変奏曲」、このLPに収録されたワルターのベートーヴェン「エロイカ」が演奏された。 この「米ブルーノ・ワルター協会音源」国内LP初出盤はちょうどワルター生誕100年記念盤として「日本コロムビア」から1976年にリリースされた (写真1 LPジャケット、日本コロムビア-OZ-7509-BS /写真2 LPレーベル面)。 モノラル録音ながら音質も良好でやや速めのテンポで振るワルターの緊張感のある演奏に会場を埋め尽くした聴衆の熱気も伝わる名演である。 尚、このレコード第2面の余白にはワルターがこの楽団の「NBC交響楽団」時代に振った1951年2月のライブ録音モーツァルト歌劇「フィガロの結婚」序曲も収められている。

写真1    トスカニーニ追悼コンサート・ライブ盤、ブルーノ・ワルター&シンフォニー・オブ・ジ・エアー「エロイカ」(米ワルター協会-日本コロムビア盤OZ-7509-BS 1976年初出盤)

写真2    LPレーベル面