トルコ観光の白眉、古代遺跡と自然遺産(2)、2012年1月

〜エフェソスの遺跡、2012年1月17日〜

翌17日は美しいエーゲ海を臨む古代都市イズミル(Izmir)を経由し世界七不思議のひとつも云われるアルテミスの神殿を中心として長きに渡り繁栄したエフェソス(セルチュク)に向かう(位置は前回のイラスト・マップ参照)。 イズミルは「エーゲ海」に沈む夕日が美しい街としても知られ観光客も多い。 今回は2時間程度の海岸通りの散策だったが街のシンボル、コナック広場の時計塔は印象に残った(写真1  コナック広場、筆者撮影)。 天候も快晴が続き、港を発着する船を眺めるだけでも時間を忘れてしまう(写真2  美しいエーゲ海、筆者撮影)。 そしていよいよ発掘状態が最良とされるエフェソスの遺跡に進んだ。 先ずアルテミス神殿跡を見学(写真3筆者撮影)、世界七不思議に数えられる神殿だが現在は写真のように1本の円柱が立つのみである。 写真の奥には聖ヨハネ教会と城塞があるアヤソルクの丘も見える。 またその手前に見える14世紀に建設されたイサベイ・ジャミイを望遠で撮影してみた(写真4  イサベイ・ジャミイ、筆者撮影)。 エフェソス遺跡はその規模も大きく見学時間も徒歩で2時間以上を要する(写真5  エフェソス遺跡入場チケット)。 先にも述べたようにその保存状態が素晴らしさに驚き圧倒された。 入り口は北と南にあるそうだがこの時は南から北へ向かった。 その中で筆者がインパクトを受けた幾つかを筆者撮影の写真で紹介していきたい。 最初に目に留まったのがヴァリウスの浴場跡と云われる3つのアーチに石が積まれている2世紀頃の公衆浴場の遺跡である(写真6  ヴァリウスの浴場跡、筆者撮影)。 かなり大きな規模の公衆浴場の施設だったと想像できる。 次に小劇場跡の近くにあるプリタネイオンと呼ばれる市庁舎跡(写真7筆者撮影)、元来はアルテミスの礼拝所だったらしい。 その先のメミウスの碑(写真8  メミウスの碑、筆者撮影)もインパクトを感じた。 ちなみにメミウスは三代に渡りこのエフェソスを支配した人である。 またその先にはトラヤヌスの泉と呼ばれるトラヤヌス帝に捧げた貯水池の遺跡も興味深い(写真9  トラヤヌスの泉、筆者撮影)。 ハドリアヌス帝(2世紀前期に活躍したローマ皇帝)の神殿も見ごたえがあった(写真10  ハドリアヌス神殿、筆者撮影)。 さらに進んで行くと「マーブル通り」と呼ばれる交差点に出る、そこには娼館があったことを示す古代の落書き、広告とも云われる遺跡があった(写真11筆者撮影)。 向かい側奥にはこのエフェソス遺跡のシンボルとも云われるほぼ原形をとどめた大理石造りの大きなケルスス図書館が目に留まる。 このユニークな図書館はローマ地方総督ケルススに敬意を払い父の死後息子が建設したものである(写真12  ケルスス図書館(117年)、筆者撮影)。 また写真の右側の大きな二つの門は奴隷の身分が開放されたマゼウスとミトリダテスが3世紀頃建てたものと伝えられその先はアゴラ(市場・広場)へ続いている。 先のマーブル通りを左に折れるとアルカディアーネ通り、この辺りは現在でいうショッピング・ストリート云わばエフェソスの銀座通りであろうか。 両側に列柱が並び商店が立ち並んでいたと云われている。 最盛期の夜には街灯も灯りここを「クレオパトラ」も歩いたという伝説がある。 出口付近に位置する大野外劇場は収容25,000人余りの観客席上段からは埋まってしまった古代の港湾跡が想像できた。まさに古代のロマンを感じた今日1日であった(写真13  野外大劇場とアルカディア―ネ通り、筆者撮影)。

(つづく)

写真1    コナック広場(筆者撮影)

写真2    美しいエーゲ海、イズミルにて(筆者撮影)

写真3    アルテミス神殿跡(筆者撮影)

写真4    イサベイ・ジャミイ(筆者撮影、望遠)

写真5    エフェソス遺跡入場チケット

写真6    ヴァリウスの浴場跡(筆者撮影)

写真7    市庁舎跡(筆者撮影)

写真8    メミウスの碑(筆者撮影)

写真9    トラヤヌスの泉(筆者撮影)

写真10    ハドリアヌス神殿(筆者撮影)

写真11    娼館の広告(筆者撮影)

写真12    ケルスス図書館跡(筆者撮影)

写真13    野外大劇場とアルカディアーネ通り(筆者撮影)