ドホナーニ&クリーヴランド管弦楽団来日公演を聴く、1998
~1998年5月20日、サントリーホールにて~
アメリカの人は自国のオーケストラのランク付けをすることが好きと聞いたことがある。この「クリーヴランド管弦楽団」はいつも上位にランクされその実力のほどはジョージ・セルと共に初来日した1970年の公演で実証済みである。
筆者がこの楽団の生演奏に初めて接したのはロリン・マゼールと来日した1974年のこと、確か「東京文化会館」でプロコフィエフの舞踊音楽「ロメオとジュリエット」とラヴェル「ダフニスとクロエ」を聴いたことを思い出す(写真1 1974年来日公演プログラム表紙)。その後も何度となく来日を重ねているが今回紹介するクリストフ・フォン・ドホナーニとの1998年5月の公演も印象に残る(写真2 1998年来日東京公演チラシ/写真3 チラシ裏面)。この1998年は楽団創立80周年にもあたりのアジア演奏旅行の一環としての日本公演でもあった。そのためか日本滞在期間も短く公演も福岡・京都・東京の3都市4公演のみだった(写真4 来日公演プログラム表紙・写真5-公演日程・演奏曲目)。筆者は東京公演初日(5月20日)の演奏を聴いた。コンサートはチャールズ・アイヴズの「答えのない問い」から始まる。演奏時間6~7分の何とも言い難い瞑想的な不思議な作品に吸い込まれていく。モーツアルト「交響曲第40番」、そしてブラームス「交響曲第2番」、いずれもドホナーニの繊細緻密な優美さを感じとることができた演奏だった。写真6は公演終了後に1991年録音「マーラー交響曲第6番ほか」CDに入れてもらったドホナーニのサイン、写真7は5月20日公演チケットである。