ネーメ・ヤルヴィ&バイエルン放送響/グラズノフの交響曲、1983
アレクサンドル・グラズノフ(Alexander Glasunow/1865~1936)の作品はいわゆる「ロシア国民楽派」の音楽とチャイコフスキー流のヨーロッパ的ロマンティシズム音楽を見事に融合させた作風に魅力がある。 今回スポットをあてる彼の交響曲作品も色彩感が豊かなロマンティシズム溢れる作品だが日本ではまだコンサートで演奏される機会が少ない。 ちなみに彼は未完の「第9番」を除くと8つの交響曲を作曲した。 今回紹介するLPはネーメ・ヤルヴィ(Neeme Järvi)&バイエルン放送交響楽団初顔合わせによる独オルフェオ初録音になったグラズノフ交響曲集の2LPである。 録音は1983年ミュンヘンのヘルクレスザールにおけるセッションで「第1番ホ長調」・「第5番変ロ長調」・「第8番変ホ長調」のほか「祝典序曲」と「結婚行進曲」が収められている。 「第1番」はかの「リスト」が注目した作品、15歳の時の作品とは信じがたいオーケストレーションが素晴らしい。 「第5番」は第3楽章のアンダンテが美しい。 事実上彼の最後の交響曲となった「第8番」は重量感も感じ聴きごたえがある (写真1 LPジャケット、独オルフェオ-S 093 842H/写真2 演奏・録音データ/写真3 LPレーベル面)。 尚、ヤルヴィは翌1984年に完成された残り5つの交響曲も同オルフェオ・レーベルに「バンベルク交響楽団」と録音している。