ハイティンク & ロンドン・フィル公演を聴く、1969
〜1969年9月26日、東京文化会館にて〜
「ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団」については以前「漫遊記19・20」でゲオルグ・ショルティが指揮するホーム・ベース「ロイヤル・フェスティバル・ホール」での定期公演を取り上げているが今回は1969年9月の初来日公演にスポットを当ててみたい。 この年「NHK」の招聘で初来日、当時の首席指揮者ベルナルト・ハイティンク、前任のジョン・プリッチャード、ポーランド出身、デンマーク王立歌劇場の首席指揮者イェジー・セムコフの3人が指揮者として同行した。 筆者は公演初日9月26日ハイティンクが指揮する「東京文化会館」に足を運んだ(写真1・2 「1969年ロンドン・フィル初来日公演チラシ」/写真3 1969年ロンドン・フィル初来日公演プログラム表紙)。 筆者が聴いた「プログラムA」では当時日本ではほとんど知られていないイギリスのリチャード・ロドニー・ベネット(Richard Rodney Bennett/1936-2012)の小品「オーバード(Aubade)」(1964)が演奏されている。 プログラムの解説によればこの作品は1963年に47歳の若さで亡くなった指揮者、映画音楽で才能を発揮した「ジョン・ホリングスワース(John Hollingsworth)」を追悼して作曲されたとのことである。 演奏時間10分余りの瞑想的な作品だったと記憶している。 またバルトークやブラームスでは当時40歳の若きハイティンクのエネルギッシュな指揮が印象的で特にブラームス「第1番」の終楽章での盛り上がりが強烈だった(写真4 筆者が聴いた「プログラムA」)。