ハロルド・ファーバーマンの「ラフマニノフ交響曲第2番」

先日「漫遊記480」でもバーノン・ハンドレイが「ロイヤル・フィルハーモニック」を指揮するラフマニノフの「交響曲第2番」を取り上げ済みなのだが今回もうひとつ「ロイヤル・フィルハーモニック」が演奏する筆者が好きな1枚を紹介したい。 指揮は米国出身のハロルド・ファーバーマン(Harold Ferberman/1929~2018 / 写真1  CD解説掲載写真)。 彼は日本では馴染み薄の指揮者だったがボストン交響楽団に最年少の打楽器奏者として入団、また映画音楽等々の作曲も手掛けた人である。 またコロラドのデンバー交響楽団の首席客演指揮者なども務めている。 この録音は1978年12月にロンドンのオール・セインツ教会(All Saints Church)」におけるセッション録音である。 このCDは1990年にイギリスのユニコーン-カンチャナ(UNICORN-KANCHANA)レーベルよりリリースされた。 このレーベルは以前、単に「ユニコーン」呼ばれその昔フルトヴェングラーのライブ盤LPなどをリリースしていたことでも知られている(写真2  CDジャケット、英UNICORN-KANCHANA-UKCD2130/ 写真3  CD演奏時間・録音データ/写真4  CDレーベル面)。 現在ではその大半が廃盤になっており入手困難のようである。 各楽章の演奏時間からもファーバーマンは全般的に遅いテンポを取り、特にこの交響曲の聴かせどころのメランコリックな「第3楽章アダージョ」はじっくりと聴かせ味わい深い。 おそらくこの「アダージョ楽章」の演奏時間18分55秒は数ある録音の中でも最も遅い演奏に入るのではないだろうか。

写真1    ハロルド・ファーバーマン(CD解説掲載写真)

写真2    H. ファーバーマン&ロイヤル・フィル「ラフマニノフ交響曲第2番」CDジャケット(英UNICORN-KANCHANA UKCD2030)

写真3    CD演奏時間・録音データ

写真4    CDレーベル面