バーンスタイン&ニューヨーク・フィルハーモニックによるチャイコフスキー「悲愴」、1986年デジタル録音盤

20世紀を代表する大指揮者、作曲家レナード・バーンスタイン(Leonard Bernstein /1918~1990)は情熱的で激しく感情を込めて指揮する演奏は会場に足を運んだ聴衆を興奮させた。 今回の紹介盤、ニューヨーク・フィルハーモニックとの通算3度目の録音となる1986年デジタル録音盤チャイコフスキー「交響曲第6番”悲愴”」の演奏はその典型的なものではないだろうか (写真1 CDジャケット、独グラモフオン 419 604-2 /写真2 CD演奏データ)。 ひとことで云えばとにかくテンポが極端に遅い「悲愴」である。 演奏データの通りトータル演奏時間も58分31秒とほぼ1時間を要した「悲愴」である。 参考までに彼が35歳、1953年の最初の録音「ニューヨーク・スタジアム交響楽団(実体はニューヨーク・フィルハーモニック)」との演奏ではトータルおよそ47分と10分以上の差があることも興味深い (写真3 1953年録音の演奏データ)。 さらに終楽章も17分余りかけてじっくりと振るところも彼らしい晩年の個性がうかがえる。 初出当時(1987年)はLPでもリリースされていた。

写真1    L. バーンスタイン&ニューヨーク・フィルハーモニック/チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」CDジャケット(1986年デジタル録音-独グラモフォン-419 604-2)

写真2    CD演奏データ

写真3    参考-1953年モノラル録音演奏データ(独Membran CD)