パウル・クレツキ&フィルハーモニア管による交響組曲”シェエラザード”

最近はまたよくパウル・クレツキ(Paul Lletzki/1900~1973、写真1)のLPによく針をおろしている。 筆者が初めて彼が振る生演奏に足を運んだのは1968年6月、スイス・ロマンド管弦楽団の東京文化会館初日の公演だった。 当日のメイン・プログラム、ムソルグスキー=ラヴェル編曲-組曲「展覧会の絵」の壮大なフィナーレは今でも心に焼き付いている。 彼が残した数々のレコード録音の中でもとりわけフィルハーモニア管弦楽団との1950年代から1960年代初頭にかけてのものが個人的には好きである。 今回の紹介盤リムスキー=コルサコフ交響組曲「シェエラザード」(英EMI音源1960年ステレオ録音)は地味な存在だったと思うが何度も聴くたびに深い「匠」の技を感じさせる1枚である。 紹介LPジャケットは英EMIの廉価盤シリーズCFP(CLASSICS FOR PLEASURE)でリリースされたもので第二面の余白には1958年ステレオ録音されたチャイコフスキー「イタリア奇想曲」も収録されている。 こちらも録音が大変素晴らしく金管群が色彩豊かに響き渡る。 また「シェエラザード」は当時のコンサートマスター:ヒュー・ビーン(Hugh Bean)が奏でる美しいヴァイオリン・ソロも印象的だ(写真2 LPジャケット、英CFP 5-40341/写真2 LPレーベル面)。

写真1    パウル・クレツキ(インターネット画像)

写真2    パウル・クレツキ&フィルハーモニア管/リムスキーコルサコフ「交響組曲シェエラザード」LPジャケット(英CFP-40341)

写真3    LPレーベル面