フェドセーエフの「ショスタコーヴィチ交響曲」ライブ盤から
今回は筆者も気に入っているロシアの巨匠ウラディーミル・フェドセーエフの「ショスタコーヴィチ交響曲」ライブCDから紹介したい。 このライブ盤は1974年以来モスクワ放送交響楽団(現、チャイコフスキー記念モスクワ放送交響楽団)の音楽監督を務めるフェドセーエフの得意とするショスタコーヴィチ交響曲チクルス・プロジェクトのモスクワ音楽院大ホールにおけるコンサート・ライブ録音である。 その中から第4番 (2004年ライブ)と最後の交響曲となった第15番 (2006年ライブ)を取り上げてみたい。 CDはスイスのRELIEF(レリーフ)というレーベルからリリースされているがCD制作はオーストリ」、ジャケット制作はオランダとなっている (写真1 フェドセーエフのショスタコーヴィチ「交響曲第4番」CDジャケット、RELIEF-CR991078/写真2 同、演奏・録音データ)。 問題作の第4番はライブならではの壮大な迫力に圧倒される名演、また最後の交響曲となった第15番もフェドセーエフの洗練されたスマートな演奏に魅力を感じた (写真3 ショスタコーヴィチ「第15番」ほかCDジャケット、RELIEF-CR 991082 /写真4 同、演奏・録音データ)。 この第15番の余白には「ドレスデン解放」をテーマとした映画音楽「五日五夜」から「序奏」「廃墟のドレスデン」「ドレスデン解放」を収録、「ドレスデン解放」にはベートーヴェンの「第9」の「歓喜の歌」が高々と鳴り響く。(写真5)は何年か前にフェドセーエフ来日の際に入れてもらったサインである。