ブゾーニのピアノ協奏曲

イタリア出身の新古典主義作風から電子音楽分野まで20世紀新音楽像まで自身の音楽美学を展開したフェルッチョ・ブゾーニ(Ferruccio Busoni/1866-1924、写真1)のピアノ協奏曲 作品39(1904)は5楽章構成からなり終楽章には男声合唱も加わるという長大で異彩な作品である。 今回紹介するCD、ギャリック・オールソンのピアノ、クリストフ・フォン・ドホナーニ指揮クリーブランド管弦楽団による1989年録音の解説によれば初演は作品完成の1904年11月10日ブゾーニ自身のピアノによりベルリンで行われたそうである(写真2  CDジャケット、米TELARC-CD-82012  / 写真3  各楽章演奏時間データ、ジャケット裏面 / 写真4  CD録音データ)。 演奏時間も70分余りを要する大曲でさらに合唱まで要するためなかなか生演奏に接する機会がない。 ちなみに調べたところ全曲日本初演は21世紀を迎えた2001年4月22日東京オペラ・シティ・コンサート・ホールで超絶技巧作品を得意とするカナダ、モントリオール出身のマルカンドレ・アムラン(Marc-André Hamelin)のピアノ、沼尻竜典&東京フィルハーモニー交響楽団の演奏で行われている。 作品は後期ロマン派的な美しい旋律が魅力だが規模が長大で筆者個人的には焦点が少々わかりにくい感がある。 終楽章の男声合唱の題材はデンマークの劇作家「アダム・エーレンスレーヤー(Adam Oehlenschläger)」の戯曲「アラディン(Aladdin)」からとられたドイツ語訳である。 またこのオールソン&ドホナーニ盤は当時代表盤のひとつだった。

写真1    フェルッチョ ・ブゾーニ(インターネット画像)

写真2    ブゾーニ「ピアノ協奏曲」G. オールソン盤CDジャケット(米TELARC-CD-82012)

写真3    CD演奏時間データ(ジャケット裏面)

写真4    CD録音データ