ブダペスト祝祭管弦楽団を聴く

ブダペストでのコンサート(1)、1987

ブダペスト祝祭管弦楽団を聴く- 1987年12月、ブダペストにて-

1987年12月下旬から正月にかけ東欧を巡る旅に出た。訪問都市はブダペスト、ブラチスラヴァ、そして帰りにウィーンに立ち寄るスケジュールである。当時、ハンガリーとチェコスロヴァキアは観光でも日本出発前にビザ(査証)取得する必要があった。今回はブダペストでの初日のコンサートの思い出を綴ってみたい。12月27日ウィーン南駅発午前7時45分発のブダペスト行き直通急行「フランツ・レハール号」に乗り込む。目的地のブダペストには午前10時45分定刻通り到着した(写真1 列車チケット、ウィーン~ブダペスト)。この日のお目当ては「リスト音楽院大ホール」(写真2 リスト音楽院 筆者撮影1987年12月)で午後7時30分から開催されるイヴァン・フィッシャー指揮ブダペスト祝祭管弦楽団の演奏会である。(写真3 プログラム表紙)ソリストにピアノのゾルタン・コチシュ、チェロのミクローシュ・ペレーニを迎えた豪華な顔合わせであった。演奏曲目はドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調作品104、休憩後にリスト:ピアノ協奏曲第1番変ホ長調、R.シュトラウス:交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」作品28という構成である(写真4 演奏曲目)。ブダペスト祝祭管弦楽団はこの日の指揮者イヴァン・フィッシャーとソリストのゾルタン・コーチシュ(Pf)が創設した楽団でこの当時は「リスト音楽院」を本拠として活動していた。現在は2005年にオープンしたベラ・バルトーク国立コンサート・ホールでも演奏活動を行っている。また「祝祭」と呼ばれている所以は発足当初ハンガリー国内の音楽イベント等々にレギュラー出演することも重要な活動だったことにもあるようだ。この日の演奏も期待通り前半の「チェロ協奏曲」ではペレーニ(Vc)の巧さが伝わる味わい深いドヴォルザーク、後半ではフィッシャーとコチシュ(Pf)の息のあったリストが聴きものだった。尚、コンサート・プログラムにはハンガリー語表記で指揮者:フィッシャー・イヴァン、ピアノ:コチシュ・ゾルタン、チェロ:ペレーニ・ミクローシュとなっている。

写真1 ウィーン → ブダペスト間の直通急行「フランツ・レハール号」のチケット、

写真2 ブタベストのリスト音楽院、コンサートはここの大ホールで開催された

写真3 コンサートのプログラム表紙

写真4 ハンガリー語で書かれた奏者とコンサートの演奏曲目