ブルックナーの室内楽曲
ブルックナーの室内楽曲の代表格は1879年作曲「弦楽五重奏曲ヘ長調」であろう。 今回は普段あまり演奏される機会が少ない「弦楽四重奏曲ハ短調」(1862)とカップリングされた筆者の愛聴盤を紹介したい。 このCDはドイツ「MDGレーベル(Musikproduktion Dabringhaus und Grimm)」より2005年にリリースされた1枚である。 このレーベルは一般的にあまり知られていない珍しい室内楽曲録音を中心にリリースしている。 今回スポットを当てる「ライプチッヒ弦楽四重奏団」による演奏は「DeutschlandRadio(ドイツ公共放送) Berlin」の協力で2004年1月に録音されている (写真1 CDジャケット(MDG 307 1297-2) / 写真2 CD演奏・録音データ / 写真3 CDレーベル面)。 「弦楽五重奏曲」には第2ヴィオラにこの「四重奏団」と親交も深い「ハルトムート・ローデ(Hartmut Rohde)が加わり交響曲なみの音の響きが美しい。 とりわけ「第3楽章アダージョ」の美しい旋律の響きは素晴らしい。 またカップリングされた「弦楽四重奏曲」の作曲はブルックナーがまだ38歳、の時の作品、習作「交響曲ヘ短調」も書かれる前である。 それゆえに特徴的なブルックナー・スタイルはまだ表れていないが楽章を通じてメンデルスゾーンを彷彿させる美しい響きがまた印象的である。