ヘンツェの交響曲

ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ (Hans Werner Henze/1926~2012、写真1)は戦後のドイツを代表して活躍した前衛作曲家のひとりだった。 初来日は1966年の「ベルリン・ドイツ・オペラ公演」で自作のオペラ「若き恋人たちの悲歌」を自らの指揮・演出で上演し注目を浴びた (漫遊記461)。 彼はオペラ、管弦楽曲、室内楽曲、器楽曲に至るまで多様な作品を書いているが今回注目する交響曲は1947年の第1番から最後の交響曲となった2000年完成の第10番までが遺されている。 第9番は合唱が伴う。 10番は彼のパトロンのひとりである作曲家、指揮者のパウル・ザッハー(Paul Sacher/1906~1999)への追悼作品といわれる。 彼の交響曲は十二音技法を取り入れながらも色彩感のあるハーモニックが特徴的で自然とはまり込んでしまう不思議な魅力がある。  写真2は筆者が最初に求めた彼自身の指揮でベルリン・フィルと録音した第1番から第5番までを収録した2枚組LPで1966年にリリースされた。 録音は1965年ベルリンのUfaスタジオで行われている (独グラモフォン、139 203-204 SLPM) 。 さらに写真3はこの1965年録音に1972年に同じく自身の指揮でロンドン交響楽団と録音した第6番を加えて初CD化された2CDセットである (写真4・5-CD演奏データ)。 尚、現在では筆者は未聴だが全10曲を収めたマレク・ヤノフスキ指揮ベルリン放送管弦楽団・合唱団による全集盤ボックス(デジタル録音)が「独WERGO」よりリリースされている。

写真1    ハンス・ヴェルナー・ヘンツェ(CDブックレット掲載写真)

写真2    ヘンツェ自作自演ベルリン・フィルとの交響曲第1番~第5番」2LPジャケット(独グラモフォン 139 203-204 SLPM)

写真3    ロンドン交響楽団との交響曲第6番(1969)を+してCD化された「ヘンツェ交響曲集」2CDジャケット(独グラモフォン 429 854-2) 1994年リリース)

写真4    CD 演奏データ

写真5    CD演奏データ