ベーム、バイロイト音楽祭1963 /ベートーヴン第9ライヴ盤

「バイロイト祝祭劇場」の「杮落とし」ではワーグナー自身がベートーヴェン「第9」を振って以来この作品だけは特別なものがあるようだ。
この祝祭劇場で毎年夏開催される「バイロイト音楽祭」は戦時中の中断をはさみ戦後は1951年に再開、フルトヴェングラーの「第9」で開幕この演奏は不滅の名演・名盤として語り継がれている(写真1  1951年バイロイト音楽祭・復刻版総合プログラム表紙 / 写真2  同復刻プログラムからフルトヴェングラー「第9」公演のページ)。 その後何かの節目々に「第9公演」が開催されることが多い。 今回紹介するLPレコードは1963年7月23日音楽祭開幕公演、巨匠「カール・ベーム」が振った貴重な記録である。 この年はワーグナーの生誕150年並びに没後80年に当たりLPタイトルにも「新バイロイト(NEU BAYREUTH)」とあるようにこの音楽祭の新時代を予感させた名演である。 録音はモノラルだが音質は良好でさらに独唱陣もグンドゥラ・ヤノヴィッツ(ソプラノ)、グレース・バンブリー(メゾ・ソプラノ)、ジェス・トーマス(テノール)、ジョージ・ロンドン(バリトン)と往年の名歌手をそろえている。さらにバックのバイロイト祝祭合唱団が素晴らしい。 ただちょっと難点をあげればこのLP2枚組だが「第2楽章」が裏面にまたがるカッティングをしていることである(写真3  LPジャケット、伊MELODRAM-MEL650(2) / 写真4  LP見開き掲載写真 / 写真5  ジャケット裏面、収録曲目等演奏データ/ 写真6  LPレーベル面)。 このLPは1983年にリリースされているが2017年には独「ORFEO」からもCD化されている。 尚、LP第4面には「ジョージ・ロンドン」が歌う過去の「バイロイト音楽祭」からパルジファル(1953年クレメンス・クラウス指揮)と「さまよえるオランダ人」(1956年ヨゼフ・カイルベルト指揮/1959年ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮)の名場面が収められている。 (写真7は筆者が2002年に久しぶりにバイロイトを訪れた際に入手した2001年バイロイト音楽祭、125周年記念クリスティアン・ティーレマン指揮のベートーヴェン「第9」公演のプログラムである。

写真1    1951年バイロイト音楽祭復刻版総合プログラム表紙

写真2    同復刻版プログラムか「フルトヴェングラー指揮「第9」公演のページ

写真3    1963年バイロイト音楽祭ベームの「第9」LPジャケット(伊MELODRAM MEL650(2)2LP

写真4    同LP見開きジャケット掲載写真

写真5    LPジャケット裏面収録曲・演奏データ

写真6    同LPレーベル面

写真7    2001年バイロイト音楽祭/ティーレマン指揮「第9公演」プログラム表紙