ホルスト・シュタイン&N響の「パルジファル第3幕」を聴く、1998
R.ワーグナーの舞台神聖祭典劇「パルジファル」第3幕を演奏会形式で
〜1998年2月18日・19日、N響第1345回定期公演、NHKホールにて〜
ホルスト・シュタインがN響定期でR.ワーグナーの舞台神聖祭典劇「パルジファル」第3幕を演奏会形式で振るとのことでワグネリアンの友人と共に期待をはずませながら会場のNHKホールに公演の2日連日足を運んだ。とりわけ公演2日目はオーケストラ・ピット席のかぶりつきで鑑賞した(写真1 N響1998年2月定期公演プログラム表紙/写真2 N響Bプロ<パルジファル第3幕>)。
今回出演の歌手陣もそうそうたるメンバー、パルジファルを歌うポール・エルミングは当時「バイロイト音楽祭」でも人気絶頂、グルネマンツのマッティ・サルミネンはフィンランドの名バス歌手で彼もまたバイロイトの常連だった。そしてアンフォルタスのウォルフガング・シェーネはフィンランド出身の名バス=バリトン、筆者は1987年の「ザルツブルク音楽祭」でのH.シュタインが指揮したR.シュトラウス歌劇「カプリッチョ」を思い起した(漫遊記31参照)。今回もこの豪華歌手陣の見事な声量で我々の期待を裏切ることなく「パルジファル」の荘厳で神秘的な世界を充分に満喫することができた。またH.シュタインのワーグナー指揮者としての風格も再認識した次第である。当時H.シュタインはこの2月はまだ69歳、今後の来日も楽しみにしていたのだが残念ながらこの年が「N響」との最後の公演となってしまった(写真3 「指揮者ホルスト・シュタイン紹介」プログラムから)。写真4は公演終了後にNHKホール楽屋口 ロビーで入れてもらった3人のサインである。