ポーランド「MUZA」盤から(2)

前回の続編で今回もポーランド「MUZA盤」からおそらく西側ではこれまでもおそらく発売されてないと思われるLPとCDを取り上げてみたい。
先ずLPはスタニスラフ・ヴィスロツキ(Stanislaw Wislocki/1921-1998)が指揮するベートーヴェンの交響曲から「第1番ハ長調」と「第3番”エロイカ”」の2枚組である。 管弦楽はカトヴィツェに本拠を置く「ポーランド国立放送交響楽団」、録音年代はジャケット解説に表記がないので不明だが彼は1970年代にこのほか「第2番」「第6番”田園”」「第9番」などをこの楽団と同レーベルに録音しているのでこれもほぼ同時期の録音と推定される(写真1  スタニスラウ・ヴィスロツキ&ポーランド国立放送響/ベートーヴェン交響曲第1番・第3番ジャケット/MUZA-SX1822-1823ステレオ録音/写真2 同、レーベル面)。 因みにLP第1面に「第1番」/「第1楽章」~「第3楽章」第2面に「第4楽章」・「エロイカ-第1楽章」、「第3面」/「エロイカ-第2楽章」、「第4面」/「第3楽章」・「第4楽章」を収録というゆったりとしたカッティングとなっている。 彼は1966年、「ポーランド国立ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団」初来日公演時に1度当時の音楽監督「ヴィトルド・ロヴィツキ(Witold Rowicki / 1914-1989)」と共に来日している。 西側ではリヒテルとのラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」の録音(1959年・独グラモフォン)が今でも名盤として知られているが今回改めてこのベートーヴェンを聴き直し彼の底力を再認識した次第である。
次は1996年にCD化されたイタリアの名ピアニスト、「アルトゥーロ・ベネデッテイ・ミケランジェリ(Arturo BenedettiMichelangeri(1920-1995))の1955年3月ワルシャワにおける貴重なコンサート・ライヴ録音を収めた1枚である。 収録曲はバッハ(ブゾーニ編曲)/無伴奏パルティータ第2番BWV1004から「シャコンヌ」、ブラームス「パガニーニの主題による変奏曲作品35」、シューマン「ピアノ協奏曲イ短調作品54」の3曲である。 協奏曲の管弦楽は「国立ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団」、指揮は「ヴィトルド・ロヴィツキ」(写真3  CDジャケット/MUZA-PNCD 328)/ 写真4 同、ジャケット裏面)。 当時35歳の若々しいミケランジェリが聴ける1枚で聴衆の拍手も収録され会場の熱気も伝わってくる。 昨今では「MUZA」レーベルの入手も難しくなっているようで残念である。

写真1    スタニスラウ・ヴィスロツキ&ポーランド国立放送響/「ベートーヴェン交響曲「第1番・第3番」(MUZA2LP-SX1822-1823)

写真2    スタニスラウ・ヴィスロツキ&ポーランド国立放送響/「ベートーヴェン交響曲「第1番・第3番」のレーベル面

写真3    ミケランジェリ1955年コンサート・ライヴ/CDジャケット(MUZA-PNCD328)

写真4    CDジャケット裏面/収録曲目・演奏データ

ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」:(https://ml.naxos.jp/work/4385372):リヒテル(Pf)、ヴィスロツキ指揮ワルシャワ国立オペラ管弦楽団

 

ミケランジェリ 1955年ワルシャワでのライブ:(https://ml.naxos.jp/album/IDIS6503-04