ポール・デュカスの交響曲ハ長調

ポール・デュカス(デュカ)/(Paul Dukas/1865~1935)の作品ですぐ思い浮かぶのはコンサートでもよく演奏される交響詩「魔法使いの弟子」ではないかだろうか。 彼は完璧主義者だったらしく自身が気に入らない作品は破棄してしまったため残された作品はそれほど多くない。 今回スポットをあてる交響曲作品は先の「魔法使いの弟子」とほぼ同時期に作曲されたこの「ハ長調」の一曲にみである。 初演は献呈されたポール・ヴィダル(Paul Vidal/1863~1931)の指揮で完成の翌年1897年にパリ・オペラ座で行われている。 作品は急-緩-急の3楽章構成、演奏時間約40分、フランクの「交響曲ニ短調」が頭をよぎるがいわゆる「循環形式」ではない。 とりわけ緩徐楽章の第2楽章(Andante espressivo)は味わい深い。 現在もレコード録音の数は多くないが個人的に好きな演奏は世界初録音ではないかと思われる1950年代初頭のモノラル録音、ジョルジュ・セバスティアン (George Sebastian)指揮コンセール・コロンヌ管弦楽団盤(米URANIA-URLP 7102-写真1)とステレオ録音では1972年録音のジャン・マルティノン(Jean Martinon)指揮フランス国立放送管弦楽団盤(現:フランス国立管弦楽団)-(写真2)である。

写真1    G. セバスティアン&コロンヌ管/デュカス「交響曲ハ長調」LPジャケット(米ウラニア-URLP 7102)

 

写真2    J. マルティノン&フランス国立放送管/デュカス「交響曲ハ長調ほか」CDジャケット(東芝EMI CLASSICS-TOCE 16297)