マルコム・サージェント(Cond)初来日公演、1954
私の「コンサート資料コレクション」からサー・マルコム・サージェント初来日公演、1954年
英国を代表する20世紀の名指揮者のひとりサー・マルコム・サージェント(Sir Malcolm Sargent(1895-1967)/写真1 東響公演プログラムから)が「ラジオ東京(現、TBSラジオ)」の招聘で初来日したのは1954年9月末のことだった(写真2 「東京交響楽団」との公演チラシ(1)/写真3 同公演チラシ(2))公演は東京と大阪で開催、東京交響楽団と関西交響楽団(現、大阪フィルハーモニー交響楽団)の指揮台に立った(写真4 初来日公演プログラム表紙)。
さらに大阪公演終了後の10月19日には再び東京で「日比谷公会堂創立25周年記念特別演奏会」で「NHK交響楽団」も指揮している(写真5 N響を振るサージェント-N響50年史から)。演奏プログラムもレパートリーも幅広いサージェントらしくバラエティーに富んだプログラム構成になっている(写真6・7 各公演プログラム)。
またソリストに当時ヴァイオリンの神童として大変注目された13歳の渡辺茂夫(1941-1999)がチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」を披露するなど話題がつきないコンサートであったことは想像できる。しかし当時の新聞評(写真8)からは彼の当日(10/1)の演奏はあまりかんばしくなかったようだ(写真9 9月30日公演チケット)。
サージェントの来日は結局この時が最初で最後になってしまい彼のコンサートを生で接することはできなかったがレコードは今でも時々針を落としている。なかでも1959年録音のロンドン交響楽団とのレスピーギ「ローマの噴水」「ローマの松」は米エヴェレスト(EVEREST)の35mmマグネチック・フィルム・マスターによる当時の超ステレオ盤である。この当時の録音としては音質が抜群に素晴らしい(写真10 サージェント&ロンドン響「ローマの噴水・ローマの松」米EVEREST LP盤-SDBR3051)。