ミシェル・オークレー(Vn)によるメンデルスゾーン&チャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」
ジャック・ティボー(Jacques Thibaud/1880~1953)の愛弟子のひとりミシェル・オークレール(Michèle Aucair/1924~2005、写真1)のヴァイオリンは彼女が持つ繊細な感性と風情に自然と誘いこまれてしまう。 しかし彼女は30代で左手を痛めてしまいレコード録音の数も少ない。幸いフィリップスには数枚のステレオ録音が残され今回はその中からメンデルゾーンとチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲がカップリングされた1枚を紹介したい。 バックはロベルト・ワーグナー(Robert Wagner)指揮するインスブルック交響楽団、1963年2月インスブルックにおけるセッションである。 ちなみに指揮のロベルト・ワーグナー(1915~2008)はウィーン出身、このインスブルック響の首席指揮者を1960年から1966年まで務めた人である。 紹介のレコードは当時の「日本フォノグラム」から1974年にリリースされたフィンタナ・グロリア・シリーズの1枚である(写真2 LPジャケット、fontana-FG 215 /写真3 LPレーベル面)。 この音源はその後も何度となくLP、CDでリリースを重ねているがやはり個人的にはLPに針を下す方が好きである。